2022診療報酬本体部分0.43%引き上げ!全体改定率はマイナス!の見込み

2021年度補正予算が過去最大規模の35兆9,895億円となる中で、政府としては2022診療報酬改定はマイナス改定でいくことを強く推し進めておりました。

2021年12月22日の鈴木俊一財務相と後藤茂之厚労相による事前大臣折衝で正式に決定する見込みですが、先日の12月19日に2022診療報酬改定の本体部分を0.43%引き上げる方針を固めました。

薬価部分は引き下げられ本体部分と差し引きした全体の改定率はマイナスとなる見通しとなっています。

それではその中身をみていきましょう。

過去の改定率推移

過去の改定率の推移を見ていきましょう。

2020年は本体部分は0.55%のプラスでしたが、全体としては-0.46%となっていました。

2022本体部分は?

0.43%の引き上げですが、このうち看護師の処遇改善に0.2%、不妊治療に0.2%、0.4%分は使い道が決まっています。

それでは実質0.03%の引き上げなの?

と思ってしまいますが、リフィル処方箋の導入等で0.2%分の財源は捻出されますので、実質の本体部分の差し引きは0.23%の引き上げとなっています。

リフィル処方箋とは、一定期間内であれば複数回使用できる期間内有効処方箋のことです。

2022薬価部分は?

2021年12月3日、厚生労働省は薬の市場流通価格が薬価より7.6%低かったとの調査結果を公表し、比較調査の結果を踏まえ1.3%程度の引き下げで検討されています。(国費ベースで約1,500億円)

薬価は改定のたびに引き下げられていますが、ジェネリックメーカーの問題は記憶に新しいところです。

その問題によってジェネリック医薬品の流通は滞り、患者は処方されるたびに違うメーカーの薬が処方される事態となりました。

薬価の引き下げが直接的にジェネリック問題を引き起こしたという明言は避けますが、締め付けが強くなれば、自助努力で何かを削っていかなければいけません。

少なからず薬価引き下げの影響は受けているのではないでしょうか?

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大の影響によって懸念される医療機関の経営状況ですが、医療経済実態調査では、2020年度の一般病院の利益率はマイナス6.9%と悪化しており、日本医師会は本体部分の引き上げを求めておりました。

一方、財務省は国のコロナ対策の補助金投入で経営実態は近年になく好調として引き下げを主張してきました。

前回の0.55%には及ばないものの0.43%の本体部分の引き上げは妥当なところでしょうか。

医師会の意図を汲んだ形だと考えておりますが、診療報酬改定の攻防戦は一応の決着がつきそうです。