2020診療報酬改定の基本方針を振り返る!

2019.12.10社会保障審議会医療保険部会及び医療部会において2020診療報酬改定の基本方針が明文化されました!

全世代型社会保障の実現

全世代型社会保障って?

日本は、国民皆保険や優れた保健・医療システムの成果によって、世界最高水準の平均寿命を達成し、人生 100 年時代を迎えようとしています。 人口構成の変化を見ると、2025 年に団塊の世代が全て後期高齢者に、2040 年頃には団塊ジュニア世代が65 歳以上の高齢者になるとされています。

2025年問題よりも深刻な問題としてクローズアップされている2040年問題では、高齢者人口がピークを迎えるとともに、現役世代(生産年齢人口)が急激に減少していきます。そこで2020診療報酬改定の基本方針として、いの一番に明文化されたのが、「全世代型社会保障」の実現です。

高齢者人口がピークを迎える中、社会の活力を維持・向上していくためには、健康寿命の延伸により高齢者をはじめとする意欲のある方々が役割を持ち、活躍のできる社会の実現と「全世代型社会保障」を構築していくことが急務の課題である。としています。

改定の基本的視点1が示すものとは

改定の基本的視点でその1番の指定席は、「地域包括ケアシステム」の構築を目指す内容でした。しかしながら、2020診療報酬改定の基本的視点1は、2040年を見据えた「全世代型社会保障」へとキーワードが切り替わりました!

基本方針の主軸だった地域包括ケアシステムは、基本方針の3に位置付けられています。重点課題の格下げか?それとも地域包括ケアシステムの推進は、一定の体制が整ったということでしょうか?いずれにしても今回の改定の基本方針1は働き方改革!医師のみに限らず医療従事者の負担軽減を推し出す基本方針には好感が持てます!

働き方改革の推進を考える!

働き方改革の基本的視点

2024年4月から医師の時間外労働の上限規制が適用される予定です。そのため労働時間短縮に取り組むことが大きな課題となっています。

2024年に向けて診療報酬上でも

・労務管理や労働環境の改善のためのマネジメントシステムの実践に資する取り組み

・タスク・シェアリング/タスク・シフティングおよびチーム医療

が評価されています。

働き方改革の診療報酬はどの程度なのか?

2020年診療報酬改定の改定率の内訳は

技術料に当たる本体部分 0.55%↑

薬価部分 0.99%↓

医療材料 0.02%↓

となっています。

その中で本体部分の引き上げ0.55%のうち0.08%救急病院における勤務医の働き方改革への特例的な対応にあてられる予定です。ちなみに残りの0.47%の引き上げは

医科 +0.53%

歯科 +0.59%

調剤 +0.16%

「救急病院等における勤務医の働き方改革への特例的な対応」

※印で表記されるのは稀であり、0.08%は診療報酬において120億円を超えます。

働き方改革の対象は?

しかしながら、全ての病院に働き方改革の恩恵がある訳ではありません。その対象病院は限定的であり、救急医療の最前線で診療する過酷な勤務環境の改善に対しての支援に使われる予定です。 その対象は救急医療体制により、年間救急車等受入2,000台以上の3次救急に携わる医療機関に限られます。該当しない病院は、働き方改革の推進に寄与する人員基準の緩和等で恩恵が受けられます。その他の支援としては、総合的な取組に要するICT等機器費用、休憩室整備費用、短時間勤務要員の確保経費等がありますが、その全てを吟味していく必要があります。まさしく

医療従事者である

医療現場である環境

の充実による医療提供を推進する改定です。

まとめ

医療従事者は過酷な勤務状況です。過酷というのは労働時間・労働環境のみならず、精神的な過酷さも含みます。労働時間・労働環境のみの診療報酬改定だけでなく

医療従事者の「心のケア」

それこそが本来の働き方改革だと思います!

頑張れ!医療従事者!