(新設)運動量増加機器加算を考える!

2020診療報酬改定の最新情報を心にゆとりがある時にまとめていますが、過去の記事を見るとリハビリテーションに関係する記事が最も閲覧されているようです。そこで今回はリハビリテーション関連のトピックスを医療技術評価提案書の中身から読み解いていきたいと思います。紙芝居風が読みやすいようなので今回も紙芝居風にまとめていきます。

運動量増加機器加算とは

運動量増加機器を用いたリハ計画を策定し、当該機器を用いて脳血管疾患等リハビリテーション料を実施月1回に限り150点を所定点数に加算。

誰が申請したのか?

申請団体は日本リハビリテーション医学会。対象疾患は脳卒中・脊髄損傷等で申請しています。

医療技術評価提案書の内容は?

どの程度使用するのかを試算しています!

上肢訓練支援ロボット

924,000回

歩行支援ロボット

392,000回

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下肢に使用するFESを試算しています。

下肢使用FES

7,200,000回

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希望する診療報酬上の取り扱いは

ロボット 50点(1単位につき)

FES   20点(1単位につき)

当該加算による医療費の増加

20億9,800万円

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一方、当該機器を使用することで期待できる医療費削減

ロボット 33億4,250万円

FES   26億円

総額 59億4,250万円の削減

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増大分と削減分の差し引きは

38億4,450万円の削減効果

本当???

運動量増加機器加算の新設から分かること

今回提示した資料の中で、気になる点を以下にまとめます。

ロボットの効果を見極めたい厚労省

希望する診療報酬は50点(1単位) 上限3単位まで⇒1日150点を想定

しかしながら認められたのは1月150点となっており、希望との大幅な開きが!

推測)

厚労省はまだ懐疑的。本当にロボットの効果があるのか。見極めてみたい!しかし効果判定の見せ方によっては、2年後‐4年後点数が上がる可能性大!

頑張れ!リハビリスタッフ!

推定回数の妥当性に疑義

日本リハ医学会の推定では

上肢ロボット 924,000回

下肢ロボット 392,000回

FES 7,200,000回

重症度のSelectがいまいちな気も。

削減効果で在院日数短縮?

今一度この資料をご覧ください。

在院日数短縮の根拠が上肢ロボットで示されています!歩けるようになった方が退院する可能性高いですよね?なぜ上肢ロボットのデータを在院日数短縮の根拠にしたのか謎です!

まとめ

リハビリテーションの業界はロボット産業が今後導入され、人とロボットの融合が期待される分野と言われております。今回の運動量増加機器加算はいよいよリハビリ業界にロボットが公的に認められたリハビリロボット元年と呼ばれるようになるのでしょうか?

リハビリスタッフの方々と話すと「ロボットの難易度設定をするのは我々だ。ひとが必要にならないわけではない。」とロボットの参入に対して悲観的に捉えていない人が多かった印象です。私はリハビリスタッフの方々をリスペクトしています!あらためて心強いな~と思った今日この頃でした!そしてブログやツイッターをはじめリハビリスタッフの方々の多くが私の記事を見ていただいております。

ぜひたびたびご訪問を。

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頑張れ!

リハビリスタッフ!