自称リハ複数回シリーズのラストとなります。今回は医療費・市場の部分をまとめていきます。
医療費・市場(公的保険)
リハビリテーション費用は今後どのような医療費の変化を辿っていくのでしょうか。リハビリテーションという言葉が一般化した現在、その必要性や需要は高まっていっています。リハビリテーション費用は増大傾向かと思いますが、いかに。
2016年 1兆4,027億円 2017年 1兆4,813億円(前年比106%) 2018年 1兆5,416億円(前年比104%)
年率4~6%程度の伸び率を示しています。本調査報告書によると2040年2兆8,000億円と計算されています。すなわち公的保険は2018年‐2040年で1.8~1.9倍に増える試算です。
公的保険外の市場
一方、公的保険外の市場は以下のように記載されています。
報告書の冒頭に2点記載しています。
①公的保険外リハ「自称リハ」は供給元の増加が新たな需要を喚起する可能性
⇒増える可能性を示唆
②一方、利用者の購買意欲・購買能力の影響を受けることも考慮する必要がある
⇒減る可能性を示唆
そして産業分類上、自称リハがどの分類にされるか明示されていない点も示しています。以下に総務省・経済産業省の経済センサス‐活動調査資料を載せます。
事業内容は 80H フィットネスクラブが最も近いかと思われます。今後、自称リハがどの分類に入ってきて、どのような市場への影響をもたらすのか注目ですね。
理学療法士・作業療法士とその他医療従事者の給与比較
公的な保険で守られている病院や介護施設から、自称リハのエリアへ飛び出して起業する方も多くいるとききます。その理由として
・自由に仕事がしたい
・自分の力を試したい
・もっと稼ぎたい
・必要とされる方に提供したい
等々、いくつか挙げられるかと思います。どの理由であっても、その方が一念発起して取り組んでいるのであれば素晴らしいことかと思います。自信を持って頑張ってください!
今後、医療費増大や市場規模の拡充を予測されているリハビリ業界。『自称リハ』という名称に着目するのではなく市場の中での存在価値を高めていってもらいたいと思います。最後に市場価値を測る分かり易い指標としてリハビリ専門職とその他医療従事者の給与比較を人事院の資料からまとめました。
リハビリ専門職の給与比較
52歳までは理学療法士<看護師の支給額が、52歳以降は理学療法士>看護師に逆転しています。おそらく52歳以降の理学療法士数が少なく、その年齢の多くは管理職になっているからでしょう。52歳以降の看護師は理学療法士よりも多く、その一部の看護師が看護師長・看護部長になっているという背景が、上記の逆転を生み出していることかと思います。
参考までに他の職種も載せます。
給与もまたモチベーションの一つです。しかしながら『自称リハ』という言葉が仮に一般的になったとしても、目の前の利用者の方々へ今まで同様の質の高いサービス提供を継続してもらいたいです。言葉に囚われるのではなく本質を問う世の中で在りたいものです。
最後に応援の意を込めて敢えて言葉を変えずに言います。
頑張れ!自称リハ!