生活機能向上連携加算って名称をよく見ると重要な要素が詰まっています。
「生活機能向上」「連携」
介護給付費分科会で本加算に関する要望がまとめられていました。
生活機能向上連携加算とは
生活機能向上連携加算とは、リハビリ専門職と訪問介護事業所のサービス提供責任者が共同でアセスメントを行い、訪問介護計画書を作成し、その後3ヵ月間リハビリ専門職と連携して訪問介護を行った場合に算定できるものです。
生活機能向上連携加算ができる施設
- 訪問介護
- 定期巡回随時対応型訪問介護看護
- 小規模多機能型居宅介護
- 認知症対応型通所介護
- 短期入所生活介護
- 特定施設入居者生活介護
- 認知症対応型共同生活介護
- 介護老人福祉施設
算定状況
算定状況は厚労省の資料にまとめられていますが、その算定率は・・・
全事業所・施設ベースで3.1%と極めて低い算定率となっています。
サービス種別による算定状況
生活機能向上連携加算の算定状況をサービス種別毎でみると
認知症対応型共同生活介護7.6%
介護老人福祉施設6.3%
の順で算定率が高い状況となっています。
法人種別による算定状況
都道府県別による算定状況
都道府県別ではどうでしょう。
トップ3とワースト3を記載します。ワーストは秋田県でわずか3施設のみ。算定率はトップ3に入りませんでしたが、大阪府の145施設が最も多い算定数でした。東京都は3,291施設もありますが、算定施設はわずか68。顕著な西高東低の算定状況です。もっと連携しましょうよ。と言いたいところですが、様々な理由があるようです。
※算定できない理由は別記事参照。
介護給付費分科会での要望
このような算定状況では、必要な連携も進みません。そこで介護給付費分科会で以下のような要望が出されています。
長々と文章で書かれていますが要点は1つのみ。算定可能な事業所、提供施設の拡大です。その拡大は居宅介護支援事業所200床以上の病院を要望しています。まとめると以下のような図になります。
まとめ
極めて低い算定率。今回の対象拡大が算定率向上につながるのか。
答えはNOです。
ただ対象の拡大を図っても旨味がなければ誰も食いつきません。特に現時点での提供施設は、無償でサービスでの提供になってしまっているからです。お金にならないならリハ専門職を派遣できない。そう思っている病院・事業所は多いのでは。
その辺の事情はまた別の記事にまとめます。