2020.4.1に改正された医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部改正を掘り下げて考えるシリーズ第2弾。今回は改正の概要④高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施等についてまとめていきたいと思います。
リハビリ3協会からの要望書
2020.2.5「リハビリテーションを考える議員連盟」第5回総会が開催されました。その中で日本理学療法士協会・日本作業療法士協会・日本言語聴覚士協会のリハビリ3協会から、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施」の実施職種として理学療法士等を明示するよう要望が出されました。要望書自体は2019.12.23に3協会の会長連名のもと厚生労働大臣あてに出されています。
要望は2点。
①特別調整交付金の対象となる医療専門職にリハビリテーション専門職を明記してほしい
②特別調整交付金の対象となる企画担当は常勤・非常勤問わないようにしてほしい。さらに他業務との兼務を認めてほしい。
出遅れ感の否めないリハビリ3協会
現在、特別交付調整金の対象となる医療専門職は
保健師
管理栄養士
歯科衛生士等
と示されています。要望書の文書の中で
「リハビリテーション専門職についてはこれまでも自治体と連携しフレイル対策や介護予防事業全体のコーディネートやデータ分析等に取り組んできたところです。」
とアピールをしています。
いやー出遅れてますねー。
リハビリ3協会の要望書は2019.12.23のもの。一方こちらの資料は2019.7.5に出されています。ご覧ください。
.
第4回高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施の推進に向けたプログラム検討のための実務者検討班の資料によると
とあります。リハビリ関連職種の記載は見当たりません。
リハビリ3協会の方。ローラー活動足りていましたか?
加えてこのスケジュールを見てください。
もう一度いいます。リハビリ3協会の要望書は2019.12.23に出されたものです。
時すでに遅し。
そして日本理学療法士協会は、これまでの取り組みをこのようにまとめています。
平成26年11月13日~平成28年3月21日までに関してはよく分からない取り組みです。そして令和元年12月23日加藤厚生労働大臣からこのような言葉をいただいているようです。
加藤厚生労働大臣「本気で参入するなら~」
本気と思われていないようですよ!
この辺りからもローラー活動の足りなさが浮き彫りになっていることが明らかですね。さらに保険局からの事務連絡Q&Aを2つ抜粋。
.
上の問いかけに対しては、特別調整交付金の対象にはリハビリ関連職種は入っていませんとハッキリとQ&Aで答えられてしまっています!
下の問いかけに対しては、リハビリ関連職種は予防には有意義な事業を担っていただける職種だが地域支援事業交付金を活用してね。特別調整交付金はリハビリ関連職種にはあげませんと答えられてしまっています!
リハビリ3協会は本気でアピールしないといけない現状ですね。
予防の主はリハビリ3協会
リハビリ3協会のアピール不足と出遅れ感を指摘してきましたが、リハビリ3協会を責めているわけではありません。むしろ期待していると言った方が良いかと思います。
私見ですが、『予防の主はリハビリ3協会』であると考えています。
リハビリスタッフの方々は
・評価能力
・予後予測
・運動指導
の3点において高い専門性を発揮できる職種と考えます。
加えて、対象の方のモチベーションを上げる話術も持ち合わせている方々が多い職種であると考えます。おそらく教育課程の中で運動を勧めるテクニックが養われているからではないかと推測します。予防において大切なことの一つに「自ら進んで実施する能動性」を挙げる方は多いのではないでしょうか。自ら進んで行うから継続できる。継続できるから予防につながる。予防の本質を捉えられる職種はリハビリ3職種である!と私見をまとめました。
頑張れ!
リハビリ3協会!
頑張れ!
リハビリ3職種!