2020.1.29 個別改定項目を図式化します!(回復期番外編)

回復期シリーズが10回で終わりましたが、番外編をまとめようと思います。2020.1.29中央社会保険医療協議会の議事を参考に、入棟前から退棟後までの時系列でどのような改定なのかをできる限り分かり易くまとめていきます。

回復期の入棟前から退棟後までの改定を図にする!

今回の改定は回復期にとって有利な改定ばかりのようです。まずは下の図をご覧ください!

数字順に解説していきます。

①回復期対象患者の発症からの日数制限の廃止

従来脳血管障害の患者は発症から2月以内に回復期リハビリテーション病棟に入棟しなければ対象患者に該当せず、同入院料を算定することができません。厚労省はより早期に回復期リハビリテーション病棟に入棟することで回復具合に大きな影響があることを示しています。

しかしながら、急性期での治療が長引いた患者一定数回復する可能性があることも示唆しております。

今回は後者の方を優先した形で発症からの日数制限を廃止いたしました。回復期対象患者の枠が増え、少なくとも現在よりも対象が増えることに対しては、回復期で働かれている医療連携室の方々にとってありがたい改定であり厚労省様様と拝んでいることでしょう!

②重症患者の定義変更

回復期リハビリテーション病棟の入院料1を算定するには、いくつか施設基準をクリアしなければなりません。そのうちの1つ。新規入棟患者の重症者割合です。

新規入棟患者のうち3割を超える重症患者を入棟させること。

これは医療連携室にとって毎月押し寄せてくる問題です。今までは日常生活機能評価の点数で重症患者の該当・非該当を判断していましたが、今回FIM総得点●点という新たな指標も加わる見込みです。これも医療連携室の皆様方は厚労省様様様と拝んでいることでしょう!

③入棟時のFIMの説明と交付

以前から入棟後2週間以内に運動項目のFIMの説明をするようになっていましたが、今回はリハビリテーション実施計画書を用いて~と記載があります。そもそもリハビリテーション実施計画書は曖昧な部分がありました。

それは入棟してリハビリテーションを開始するまでの間のどの時期に計画書を作成するのか?入棟日?入棟からリハビリテーション開始までの間?リハビリテーション実施後?

今回は入棟後7日以内と明確化されました!(※特別な事情がある場合は14日以内)

しかしながら、リハビリテーション実施計画書はあくまでも計画書!リハビリ開始前に作成することが望ましいですし、医師が作成することになっていますので、みなしリハにならないようにしなければいけません。

個人的には入棟時に医師の診察に合わせて作成し説明するという流れを今回の改定で示してほしかったです。

作成し説明し交付するまでに一定期間の猶予ができたことでこの部分はリハビリテーションスタッフにとっては厚労省様様と拝んでいることでしょう!

④退棟時のFIMの説明と交付

退棟時に医療スタッフの誰が運動項目のFIMの説明と交付をするのでしょうか?

以下アンケート結果です。

退棟時どのスタッフが運動項目のFIMの説明を行っているのか?
第1位 リハビリスタッフ
第2位 看護師
第3位 社会福祉士
第4位 実施していない
第5位 医師

衝撃的ですね。基本的には医師が説明するのが筋でしょうが、まさかの第5位!そして第4位は説明していない。大丈夫でしょうか?

⑤リハビリテーション実績指数40

今回の記事は入棟前から退棟後までの流れで記載していますが、リハビリテーション実績指数は退棟後に当てはまります。今までの①~④をまとめると

①入棟前の対象患者の間口を大きくし(発症からの期限撤廃)
②重症患者に該当する指標を増やし(日常生活機能評価orFIM)
③④FIMの説明を正しく行う(入退棟時の説明)

その結果が実績指数40この40が指し示すことは何なのか。

その解説は下記の記事をご参照ください!

今回は2020診療報酬改定を入棟前から退棟後までの流れで図式化するをテーマにまとめてみました。流れでみることで理解し易いですし、なぜこのような改定なのかも見えてきやすいでしょう。

今回は番外編でした!