2020.1.29中医協より個別改定項目についてアップされました!地域包括ケア病棟については様々な点で警鐘が鳴らされておりましたが、やはりメスが入りましたね!地域包括ケア病棟のメスに迫る前にどのような病棟なのか。現状を確認してみます。
地域包括ケア病棟の誕生と役割
地域包括ケア病棟誕生の経緯
地域包括ケア病棟の前身は亜急性期入院医療管理料「亜急性期」です!
平成26年の診療報酬改定で地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料が新設されました。地域包括ケア病棟の誕生です!
地域包括ケア病棟の役割
その時に明確にされた地域包括ケア病棟の役割は
①急性期からの受け入れ
②在宅・生活復帰支援
③緊急時の受け入れ
の3つとされました。
ん?
①②って回復期リハビリテーション病棟と同じ?
地域包括ケア病棟の患者の流れ
回復期リハビリテーション病棟との違いは自宅からの受け入れを一定数義務付けたということにあるでしょう。地域の中で包括的にケアする病棟のイメージを与える病棟名ですので、自宅からの直接受け入れを義務付けることで回復期との違いを出したのでしょう。
地域包括ケア病棟の現状を知る!
地域包括ケア病棟の伸び率
地域包括ケア病棟は急激に病床数を伸ばしています。回復期リハビリテーション病棟の伸び率と比較しても上昇率は格段に上回っています。
地域包括ケア病棟入院料1
H26年 約150病棟
H29年 約900病棟
伸び率6倍!
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回復期リハビリテーション病棟入院料1
H26年 約400病棟
H29年 約800病棟
伸び率2倍!
地域包括ケア病棟の届出理由
急激に病棟数・病床数ともに伸ばしている地域包括ケア病棟ですが、その届出理由に着目してみます。
もちろん1位は地域のニーズに合った医療を提供するためです。地域に必要とされているから届け出た・・・のように見えますが現実はどうでしょうか?
どこから集まる患者さん?
地域のニーズに合った医療であるならば、どこから患者は集まってくるのでしょうか?
興味深いデータがあります。
入棟前の場所が「自院又は他院の一般病床」のうち「自院の一般病床」の患者の割合は100%と回答した病院が多いこと!
しかしながら入棟元(N=1,797)が自宅の割合は29.3%、自院一般病床の割合は43.5%となっております。
自宅<自院
この構図を見て皮肉っぽくこう言っている方もいます。
地域包括ケア病棟は地域のニーズに合った医療提供なのか自院のニーズに合った医療提供なのか
地域包括ケア病棟は自院包括ケア病棟と呼んだ方が良いのではないか。
うーん。本当にそうなのか。まだまだ地域包括ケア病棟の現状を確認する必要がありそうですね!現状を確認することで今回の改定の真意が見えてくると思います。地域包括ケア病棟の「手術状況」「リハビリ状況」「自宅からの受け入れ」の現状はどうなっているのでしょうか?地域包括ケア病棟をシリーズ化していき、地域包括ケア病棟の今後の在り方をまとめられたらなと思います!