先日まとめた記事に自費リハは『自称リハ』と呼ばれるようになるのか?という記事があります。その中でリハビリ関連職種の供給の将来予測について触れました。
↓ 以下からご覧ください。
今回はリハビリ関連職種の供給と需要について『需要』と『供給』に分けてまとめていきたいと思います。
需給分科会
理学療法士・作業療法士の需要と供給は、『需給分科会』として、2016年4月22日から会議が開催されています。
現在までに3回開催されています。直近で行われた第3回の資料を基に、その中身をまとめていきます。
今回は供給編。
供給:どの程度の人数がリハビリ関連職種として働くのか
まずは供給推計から見ていきます。
供給推計
分科会で示された供給推計方法は、医師の供給推計を参考に算出され、次のようになっております。
①過去の名簿登録者+②新規名簿登録者
①②の和を③就業率で掛け算して算出
図にしますと
新規登録者は
AとBの2つに分けられています。
計算式は上記の通りですが、フローにして図式化すると以下のようになります。
分かりにくいですが、じっくり見てみると単純な算出になっています。
次にABCで囲んだ部分が、どのような推計パラメータになっているか一つ一つ見ていきます。
推計パラメータの設定
まずはAとBから。
受験率・合格率・名簿登録率の3つです。
受験率
理学療法士・作業療法士の受験率はそれぞれ、理学療法士74.1%、作業療法士62.4%と低値になっています。低値の理由は2つ考えられます。受験率は入学定員数に対しての国家試験受験者数で算出されています。ですので、
理由①そもそも入学時点で定員数に達していない
という状況のため、実際は達していない入学定員数で算出することが、本当に正しい計算かどうかは疑問です。また年々、定員数に達しない養成校が増えているという現状も聴きます。この部分の推計パラメータは、達しない定員数を補正した方が良いかと思います。この部分の推計値は、実際よりも多い人数が算出されている可能性が高いと思われます。
再受験率
次に再受験率です。
それぞれ、理学療法士93.5%、作業療法士91.2%と高値となっていますが、裏を返せば前年国家試験不合格だった方の中で、6.5%~8.8%の方が国家試験の再チャレンジを諦めてしまっているという状況が考えられます。
合格率
次に合格率です。
合格率は2011年~2017年の合格率を用いられています。将来もその中央値が維持されるものと仮定された算出ですが、合格率は今後変動していく可能性があります。少なくとも下がることはあっても、維持・上昇する可能性の方が低いことを考慮すると、この部分の推計値も高く算出されている可能性があることが示唆されます。
名簿登録率
次に名簿登録率です。
次はCの部分です。
就業率
就業率の計算式のポイントは2点です。
①理学療法士・作業療法士協会会員の就業率
②性年齢階級別労働力
昨今の働き方改革で、働くことに対する柔軟な捉え方を考慮すると、上記の推計値は正直なところ。よく分からないというのが本音です。20代・30代が多いリハビリ関連職種は、今後、産休・育休の取得数が増えることは必須ですし、男性の育休取得数が増えることを鑑みると、実際の推計値が合致しているかは疑問です。
推計結果
様々な供給推計のパラメータを見てきましたが、結果はどうなっているのでしょうか?
2020年と2040年を比較すると、供給数は1.7倍~1.8倍になる、という推計結果になっています。今よりも増える職種。次項は
その増える供給に対して需要の変化はどうなるのか
需要の部分をまとめていきたいと思います。
供給が増える分、需要も増えていれば良いですが。
人数が増えた時は淘汰される時代になりがちです。
頑張れ!リハビリ関連職種!