VISITの有効機能の1つである「インポート機能」はまだまだ改良の余地がありそうですが、もう1つの機能の「フィードバック機能」はどうでしょうか?このフィードバック機能は利用者単位でのフィードバックと事業所単位でのフィードバックが受けられます。利用者自身へのフィードバックや他事業所と比べてどうか等、有効活用できそうですが、はたして。
利用者フィードバック機能の活用状況
インポート機能の活用状況は26/111事業所が活用し、活用率は23.4%でした。利用者フィードバック機能の活用状況はどうでしょうか?
インポート機能と全く同数の26/111事業所 活用率23.4%となっています。4分の3事業所以上が活用していないという状況です。
利用者フィードバック機能の活用目的
アンケートに協力した26事業所は利用者フィードバック機能を活用しているようですが、その活用目的を見ていきます。
「職員の振り返り資料として活用」53.8%、次いで「利用者や家族と共有」30.8%となっています。あれ?利用者フィードバック機能は利用者にフィードバックされるよりも、職員にフィードバックされるように活用している事業所が多いようです。もう少し利用者に分かり易いフィードバックが望まれるのかもしれません。
利用者フィードバック機能を活用していない理由
4分の3以上が活用していないという現状ですが、なぜ活用していないのか気にかかるところです。活用していない85事業所の活用していない理由は以下のとおりです。大きく2つの理由がありそうです。
「どう活用するか分からない」35.3%が最も多い理由となっています。同じような理由で「操作方法が分からない」「フィードバック機能があることを知らなかった」という理由があります。つまり周知の問題です。
次いで「活用したい分析がない」34.1%が2番目に多い理由となっています。つまりフィードバックの中身に魅力的な分析がないという中身の問題です。中身の問題は根本的な問題であり、早期に解決が望まれる問題です。
どのような分析機能があれば活用したいのか?
根本的な中身の問題があることが明らかになりました。それではどのような分析機能があれば活用したいという魅力的なものになるのでしょうか?母数が少ないですが29事業所は以下のように答えています。
「時系列分析の拡充」37.9%と最も多い意見となっています。拡充という言葉がファジーなため詳細までは分かりませんが、利用者自身の時系列をより分析してみたいという意見が最多となっています。
次いで「他の施設との比較分析」34.5%となっています。普段は他の施設の利用者と自事業所の利用者を比較する機会がないため、このような分析をフィードバック機能に盛り込むことで発展していきそうな気配がします。VISITのフィードバック機能の発展はこの部分にあるかと考えます。
利用者へのフィードバック票の見直し
様々に意見を基に利用者へのフィードバック票の見直しを図っています。大きくはレイアウトやグラフ表示の修正ですが、まだまだ改良の余地がありそうです。
おまけ
PDF帳票出力機能の活用状況
PDF帳票出力機能は「インポート機能」「フィードバック機能」よりも微増で27.9%となっています。
PDF帳票出力機能の活用目的
PDF帳票の活用目的は主に連携のための資料として活用しているようです。
「リハ会議の資料として活用」74.2%、次いで「ケアマネと共有」67.7%となっています。わざわざ連携用の資料を作成しなくても、VISITのPDF帳票で代用できるのであれば業務負担は大幅に削減されるかと思いますが、求められている連携資料は様々で統一することは難しいように思えます。厚労省がこの資料を使用してリハ会議やケアマネと共有するようにとお達しすれば、一気に流行るのでしょうが不満も一定数出てくることが予測されます。
まとめ
・「利用者へのフィードバック機能」は活用が進んでいない
・利用者よりも職員の振り返り資料として活用されている方が多い
・他施設との分析機能があれば流行る可能性がある
次回はVISITシリーズ最終章。「結局VISITは流行るのか?流行るための最善策」をまとめようかと思います。