生活機能向上連携加算の算定状況は別の記事でまとめています。
重要そうな名称にもかかわらず、その算定率は驚愕の3.1%。今回は本加算を算定した時のメリットを探っていきます。
提供側からの意見(リハビリテーション事業所)
本加算は「依頼側」と「提供側」に分けられます。まずは依頼を受ける提供側からの意見です。
提供側であるリハビリテーション事業所が、本加算のメリットを上記のように回答しています。当然プロのリハビリ専門職ですので、1位は「専門的な視点で計画作成」ができる、というメリットを挙げています。67.8%ですので、2/3の提供者が回答しています。しかしながら裏を返せば、1/3は専門的な視点で計画作成できないと感じているようです。プロのリハビリ専門職が介入するのに、そのプロの意見としては、専門的な計画作成ができているとまでは言えないということです。この結果には少々驚きました。
依頼側からの意見(加算算定事業所)
続いては本加算を算定している依頼側からの意見を以下にまとめます。
やはり依頼側だけあって、利用者目線でのメリットを感じています。特に利用者のADLやIADLが維持・向上できたと答えた事業所は、要介護1・2の利用者で89.3%、要介護3以上の利用者で76.6%、と高い数値になっています。専門的な視点で計画作成できたと答えた事業所は、要介護1・2の利用者で93.1%、要介護3以上の利用者で84.6%、と高い数値になっています。専門的な視点で計画できたとの回答は、提供側のリハビリ専門職が67.8%だったのに対して、依頼側の加算を算定している事業所は、93.1%・84.6%。リハビリ専門職のみかたが厳しいのか。加算算定側のみかたが緩いのか。この数字の差はなにを表しているのでしょうか?続いて勤務している従業員への良い効果を以下のようにまとめています。
ケアの質の向上
ケアの幅の拡大
アンケートですので具体的になにがということは分かりませんが、本加算は依頼側事業所・利用者・従業員3者にメリットがある加算であることが分かります。一方、提供側事業所はメリットを感じている割合が少ないことが上記の回答から見て取れると思います。
ケアマネージャーからの意見
それではケアマネージャーは、本加算のメリットをどう感じているのでしょうか?
回答をみて驚きました。「専門的な視点で計画作成できた」83.4%、「ADL・IADLに関する内容が増えた」91.4%、ケアプラン内容の見直しへの好影響91.6%、いずれも高い数値となっています。
まとめ
本加算は依頼側事業所・利用者・従業員の3者にメリットがある加算と言いましたが、その3者よりもケアマネージャーがメリットを感じている割合が最も高いことが分かりました。生活機能向上連携加算は、ケアマネージャーを筆頭に4者が高いメリットを感じる加算であると言い換えます。次回改定で提供側(リハビリ専門職)にも旨味を加えていただけると、もっと算定割合が高くなる可能性があります。名称に負けないようにどの事業所も「生活機能向上」と「連携」を重要視していって欲しいと思います。