物事の目標を決める時は、その目標が達成したかどうか判断できるように、具体的で数値化できる目標を立てた方が良いと聴きます。具体的であれば客観的な目で物事を捉えることが出来るからです。
私も基本的には、この「具体的な目標」の方が良いとは思うのですが、少し自分の中で腑に落ちない点があったので、頭の整理のためにまとめてみました。
仕事における部署の目標は?
様々な仕事で部署目標が掲げられているかと思います。数値化しやすい職務では具体的な数値を目標に設定し、その数値達成に向けて各々が何をすべきなのか考えていることでしょう。そのこと自体には異論はないのですが、一方、数値化できない職務の方の部署目標はどのようにされているのか疑問に感じました。
特にメンタルケアを職務にしている方は、「クライアント目標達成率○割」や「クライアント満足度○%」等の数値化した目標を設定しているのでしょうか。また、大きな職場で、一部署の人数が100名いるような部署の目標設定は、トップダウン型で目標設定を示しているのでしょうか。具体的な目標を掲げることでのデメリットもあるのではないかと考えました。
具体的な目標設定のデメリット
具体的な目標を設定することのメリットは言うまでもありません。しかしデメリットもあるのではないかと考えた時に、具体的な目標を敢えて設定しない目標設定もあるのではないかと思うようになりました。
例えば先ほどの例で言うと、メンタルケアを専門にしている部署の目標設定が「クライアント目標達成率○割」だったとした時に、陥りやすい問題としては、目標達成のためにクライアントの気づきの時間を狭めてしまい、本来の自然体でのカウンセリングがしにくいのではないかということです。
また一部署が100名もいるような大きな部署で、具体的な部署目標の数値設定をした時に、他人事のように捉え、自身に置き換えることが出来なくなるのではないかということです。
視点を変えた目標設定
具体的な方が分かりやすいということは多分にありますが、大きな部署で意識を統一する難しさを考えると、他人事の具体性よりも自分事の主観性に目標設定をした方が浸透するのではないかと思います。もちろん具体的なものを浸透させる方が良いとは思いますが、理想を追い求めるよりは現実的に考えた時に、こういう考え方もあるのではないかと思いました。他人事であれば、具体的な目標は浸透せずに絵に描いた餅に終わってしまうことも考えられます。一方、自分事であれば、自身で考えるようになり浸透しやすくなります。去年の自分よりも今年の自分の方が成長した、と思える自分事の主観性を目標設定にする方が良い場合も考えられます。
またカウンセリングを行う中で、「無条件の肯定的配慮」や「共感的理解」ということを重要視することが基本とされています。具体的な部署目標設定をしてしまうと、その基本姿勢に悪影響が出てしまいそうな気がします。もちろんブレない姿勢でいる方も多いのでしょうが、私はまだまだその域には達していません。このようにメンタルケアに従事する部署では、カウンセリングの基本姿勢がとれているかを問うような自己の内面の姿勢を問うような主観的な目標設定の方がしっくりきます。
なんてことを考えていると今年の自分自身の目標は何だったかな?と思い、新年早々に目標を書いたであろうノートのことを思い出しました。引き出しを開け、そのノートを取り出し、書いた記憶のあるページをそーっと覗きました。
いい男になる!
いやーお恥ずかしい限りです。まったく具体的でもない目標ですが、自分自身でいい男になった、って思えたら目標達成ですよね。っていうことでいいですよね。いい男の定義が分かりませんが素直な男はカッコイイと思います。素直に思ったことをまとめていく、という本ブログの継続は、いい男になるための一歩と思った今日この頃でした。