VISITは入力が大変?~VISIT利用の負担感を探る!~

株式会社三菱総合研究所が「厚生労働省老人保健事業推進費等補助金」を受けて2020年3月に介護データベース「VISIT」に関する調査報告書をまとめています。本報告書はVISIT使用改善に向けたヒントが調査結果という形で非常に分かり易くまとめられています。本調査報告書のデータを1つ1つ見ながらVISITが厚労省のゴリ押しに答えるためにに、全国の事業所で流行るにはどうすれば良いのか、以下にまとめていきたいと思います。

↓ 調査報告書PDF

https://www.mri.co.jp/knowledge/pjt_related/roujinhoken/dia6ou000000qwp6-att/R1_037_2_report.pdf

VISITを活用する目的は?

全国で1%程度のリハマネ加算Ⅳの算定状況から分かるように、VISITは全国の事業所で活用されていない現状となっています。その中でも活用している事業所は、どのような目的で活用しているのでしょうか?

「リハマネ加算を取得するため」という理由が97.3%となっており、活用している事業所はほぼ加算目的で活用している現状となっています。次いでVISITの機能の1つである「フィードバック機能を利用するため」が29.7%となっています。フィードバック機能は利用者に対するフィードバックもありますし、事業所のベントマークにも使用できるためVISIT活用の大きなメリットかと思っていましたが3割に満たない結果となっています。もう少しフィードバック機能のメリットを理解してもらう努力が必要かと思われます。

VISITを活用している利用者は事業所の何割なのか?

全ての利用者にVISITを活用しているのか、一部の利用者のみ活用しているのか気になるところです。

全ての利用者に活用している35.1

一部の利用者のみ活用している64.9

一部利用者のみに活用をとどめている割合の方が高い現状です。

一部の利用者のみ活用している理由

全利用者ではなく一部の利用者のみにとどめている理由として最も多いのはどのような理由なのでしょうか。

「利用者の状態によって活用を分けている」が最多で38.9%となっています。その他の理由も36.1%となっており、自由記述では「リハマネ加算Ⅲ・Ⅳ対象者のみ活用」「本人・家族の同意が得られた方のみ活用」等で活用を分けているようです。

VISIT入力は負担に感じているのか

利用者の情報をVISITに入力するのは業務負担となります。各事業所で使用している各種書類への記載とほぼ同じ内容をVISITに入力しなければいけません。VISITにはインポート機能というものがあり、CSVからVISITに取り込みが出来るのですが、VISIT入力に関してどのような負担感を感じているのでしょうか。

VISIT入力の負担が「大きい」・「どちらかといえば大きい」と答えた割合はなんと88.3%。負担が「小さい」と答えた割合は1.8%。この結果からもVISIT入力に対する大変な労力が想像できます。

VISIT入力の何が負担なのか

VISIT入力の負担を感じる理由は何なのでしょうか。

やはりデータ入力作業が圧倒的に負担を感じているようです。なんと99.0%。次いで利用者情報の収集に負担を感じている40.8%となっています。情報収集ってVISIT活用の有無にかかわらず収集しているのかと思いきや、情報の収集に負担を感じている割合は予想よりも高い4割超えとなっています。今まで得ていなかった情報をVISIT入力をすることになり、得らなければいけなくなったということでしょう。VISITを活用することで利用者情報を細かく得るようになったと捉えれば喜ばしいことですが、負担増と思ってしまうかたも一定数いるということに着目すると、利用者情報の取捨がVISITのブラッシュアップには必要かと思われます。

次回は「VISIT入力にかかる時間」や「VISITのインポート機能」についてまとめていきます。