『社会参加支援加算』と『事業所評価加算』って逆じゃないの?

令和3年度介護報酬改定に関する要望が、全国リハビリテーション医療関連団体協議会からR2.8.3の資料12で出されています。

この要望資料の中に社会参加支援加算事業所評価加算対象について記載されています。私が以前から疑問に思っていたことと同じ内容が載っていましたので、ここで紹介させていただきます。

「社会参加支援加算」と「事業所評価加算」とは

どちらも介護報酬部門でのアウトカムを示す加算になります。提供したサービスの結果利用者がどのような状況・状態になったのかという数少ない介護報酬のアウトカム指標です。以下、簡潔にまとめています。

上図にあるようにどちらも算定要件はつずつあります。

社会参加支援加算

要介護者が対象となります。社会参加を促すための加算であり、より自立を促すための加算です。要介護者が対象であるのですが、どちらかと言えば要支援者の方が社会参加しやすいのではないかという疑問を以前から持っていました。

事業所評価加算

要支援者が対象となります。算定要件に維持・改善割合割以上とあるように回復・改善を促すための加算であり、より介助量を軽減するための加算です。要支援者が対象であるのですが、どちらかと言えば要介護者の方が介助量軽減を目指すのではないかという疑問を以前から持っていました。そうです。対象がではないかという疑問です。

全国リハビリテーション医療関連団体協議会の要望では

全国リハビリテーション医療関連団体協議会の出されている要望の中身をみていきます。

全く私と同じ疑問を抱いており、そのまま要望という形で挙げています。そこで私は、この要望を自分が要望するならという形で考えてみました。1つの意見としてまとめます。

なぜ?逆なのか?

なぜ両加算の対象は逆なのか?思いつくことをまとめてみました。

【社会参加は要介護者が対象】

そもそも厚労省は要支援者は社会参加しているものとして考えている可能性があること。そもそも社会参加しているのであれば、対象として考えていないことも納得できます。

【事業所評価加算は要支援者が対象】

要介護者数は年々増加しています。介護状態の維持も本加算の対象であれば、介護報酬費が彷彿してしまいます。財源確保が難しいからまずは要支援から始めようという考えだったのでしょうか?

自分なりの要望をまとめてみました

考え方を変えてみました。要支援者・要介護者どちらかではなくてどちらもという考え方です。

「社会参加」と「状態の維持・改善」は、双方にとって大事な考え方です。そこで以下のような図式で考えてみました。

要介護者・要支援者どちらも対象にして2段構えの報酬にする。まずは状態の維持・改善を図ることを重要視して達成する。その上で社会参加に繋げるという当たり前の考え方です。1段階しか達成できなければアウトカム報酬1。2段階達成できればアウトカム報酬2。という形で考えていく。細かい設定は必要でしょうが、今回は概要図のみの提案といたします。

まとめ

社保審-介護給付費分科会では

ストラクチャー指標

プロセス指標

アウトカム指標

指標を示しています。今回はアウトカム指標に着目しましたが、今後指標の議論が進んでいくものと思われます。要注目ですね!