新型コロナウイルス感染患者は都道府県により差があります。外出規制要請を強めている都道府県や感染者1桁台で抑えている都道府県など感染対策と温度感は様々です。では都道府県による医業利益にはどのような差があるのでしょうか?
2020年4月の都道府県別医業利益率
まずは4月時点での感染者数の推移をみてみます。
東京が増えてきた時期です。4月末日はどうでしょう。
4月の感染者数は右肩上がりに増えていきました。その数は東京都をトップに大阪府・愛知県・福岡県・沖縄県と次いでいきます。ではその4月の都道府県別の医業利益率をみていきます。
東京都がワースト1位で医業利益率-21.0%
次いで福井県の-19.8%
沖縄県の-18.7%
となります。感染者の多い大阪府・愛知県は踏みとどまっています。東京都の医業利益率が低いのは分かりますが福井県は?というわけで福井県を調べてみると意外な結果が。
感染者数は少ないものの人口100万人当たりでみると福井県は大阪府以上の状況でした。人口100万人当たりの感染者数と医業利益率には相関がありそうですね。
2020年5月の都道府県別医業利益率
5月の感染者数は次のようでした。
5月は横ばいが続くものの北海道・福岡県で増加を認めました。
医業利益率は次のようです。
5月もワーストは東京都で医業利益率-23.1%
次いでまたもや福井県で-21.9%
ワースト3位は群馬県で-19.1%となりました。
北海道・福岡県は粘っています。
大阪府は4月-9.1% 5月-13.1%
奈良県は4月-5.6% 5月-15.7%
滋賀県は4月-12.3% 5月-17.9%
と近畿地方が苦戦を強いられました。
2020年6月の都道府県別医業利益率
6月の感染者数は以下のようでした。
横ばいから感染者数が徐々に増加していきました。
6月の医業利益率は以下のとおりです。
何があった高知県。
5月医業利益率は+24.1%
6月医業利益率は-15.8%
もしかすると有効回答病院のN数が高知県が少なかったのかもしれません。ですので数病院のDOWNが県全体のDOWNに大きく影響したのでしょうか。
6月は医業利益率-10%を超える都道府県は3都道府県となり、一見落ち着きつつ見えます。しかしマイナスはマイナス。はやくプラス転換できるように感染が落ち着けばよいのですが。7月以降も感染者数は右肩上がりです。
政府への願い
もう病院の経営体力は持ちません。安定的な医療の提供体制の確保を補助金・手当金以外の分かり易い形で示してもらいたいです。これが今回の報告書の真意であり、3団体がまとめていただいた結果であると思います。