一本目の矢 ①FIM利得向上 入棟時FIM減少の原因は?
シリーズ②でFIMのダウンコーティングの指摘を挙げました。基本的にFIMの採点は複数名で行うことで採点ミスを防ぐようになっています。したがって、ダウンコーティングができる環境の病院はそもそもブラック病院であると考えます。改ざんに近い感覚でしょうか。そのような病院がないことを祈りますが。。。
ダウンコーティング以外に入棟時FIM点数が年々下がってきている理由として考えられることは
①発症から回復期入院までの日数短縮
②入院からFIM初期評価日数までの短縮
③FIM採点能力の向上
④医療安全対策の充実
他にもあるかもしれませんが、私が考えられるのは以上です。
①はシリーズ②で資料提示していますので割愛いたします。続いて②から私見を載せていきます。
FIMの採点はSpeed UPしている!
②入院からFIM初期評価日数までの短縮
従前のFIM評価日は入院後、数日経ってから 評価していた病院が多かったのではないかという説。
2016以前、入院後早期にFIMの採点を求められることはなかった
↓
したがって数日後、FIMが数点向上した時点での採点になっていた
↓
2016実績指数新設
↓
可能な限り入院後早期のFIMが一番低い時に採点するようになった
↓
結果、2016以降の入棟時のFIMの平均点が下がった
FIMの採点はLevel UPしている!
③FIM採点能力の向上
FIMは日常生活で行っている自立度を見る指標です。
従前のFIM採点は見てもいないのに感覚で 採点していたのではないかという説。
2016以前、ADL評価にFIMを採用していた病院とBIを採用していた病院があった。
↓
2016実績指数新設、BIを採用していた病院がFIMの採用に変更
↓
FIMの採点Levelが低く、BIの名残で「このくらいできていたよね」で採点
↓
2016‐2017‐2018 FIMの採点Levelが向上
「このくらいできていたよね」から「ここまでしか実施していないよね」
実際の生活で行っている自立度を採点するように意識付け定着
↓
結果、2016以降の入棟時FIM平均点が下がった
医療安全はより安全に!
④医療安全対策の充実
このご時世。
より安全に評価してから自立度を判定するようになった説。
入院直後に自立を判断するのではなく、入院後数日間かけて自立を判断するようになった
↓
結果、入院直後のFIM点数が下がった
あくまでも説を述べたまでです。
信じるか信じないかはあなた次第。
一本目の矢 ①FIM利得向上 アップコーティングはOK!
ここまで入棟時FIMの採点について着目してきましたが、そろそろ退棟時に目を向けましょう!そもそも回復期リハビリテーション病院の目的は在宅復帰!
そのためには自分でできる動作は可能な限り入院中に獲得すること!これが大事になってきます。したがって入院中に自力でできるような環境設定をすることは重要です。そこで提案するのは
「退院前1週間の自立週間の設定」です。
Last 1 week challenge!
っていうと格好がいいですかね。
例)
自宅では一人でお風呂に入る予定
⇒退院前1週間は看護師は介助せずにかかわるようにする
例) 自宅では時間がかかっても一人で洋服を着る予定 ⇒退院前1週間は看護師は介助せずにかかわるようにする
安全性が重要なのは言うまでもありません。しかしながら、退院まで入浴介助であったり階段未実施なんてことはないでしょうか?入棟時のダウンコーティングはNGでも退棟時のアップコーティングはOKかな。
以上が1本目の矢。「FIM利得向上」の取り組みです。