前回まではリハビリ関連職種の『供給』についてまとめてきました。
今回は増える供給に対し、需要はどのような変化を辿るのかについてまとめていきたいと思います。
需要推計
理学療法士・作業療法士の需要推計の方法は、以下の3点+@に分けて推計されています。
①医療 ②介護 ③その他
+@の部分は、地域医療構想における追加的な対応での需要となります。まとめると以下のような図になります。
さらに3つの分野の詳細をまとめると以下のような図になります。
①医療分野の需要推計
医療分野は、入院(一般・療養)・入院(精神)・外来・在宅に分けて将来の需要数を算出しています。
それぞれの算出方法は以下の通りです。
2018年・2025年・2040年の3点で、理学療法士・作業療法士の需要推計を算出しています。
需要推計に幅があるものの、その中央値をグラフ化したものが右下図です。
2018年 139,043人
2025年 156,996人
(2018年比 113%増)
2040年 173,454人
(2018年比 125%増)
以上が医療分野において必要とされる理学療法士・作業療法士の人数です。
②介護分野の需要推計
次に介護分野における需要推計です。介護分野は「施設・住居系サービス」と「在宅サービス」に分けて需要推計を算出しています。
それぞれの算出方法は以下の通りです。
2018年 25,079人
2025年 31,552人
(2018年比 126%増)
2040年 38,282人
(2018年比 153%増)
以上が介護分野において必要とされる理学療法士・作業療法士の人数です。
③その他の需要推計
その他の分野においては、行政・教育・福祉・その他機関に分けて需要推計を算出しています。
どの分野も200%前後の増加となっています。
④追加的な対応の需要推計
その他の論点
上記の需要推計に加えて、その他の論点を2つ挙げ算出しています。
①働き方改革を踏まえた推計
ワークライフバランスを考慮した補正推計を行っています。時間外労働時間、年次有給休暇取得日数の2点において3つのケースで算出しています。
②地域リハ活動支援事業
現時点で療法士一人当たりの年間協力日数は、2.0日となっていますが、2025年までに地域リハ活動支援事業の拡大を考慮し、4.2日を目標値としています。この4.2日は年間労働日数の1.67%となっています。
まとめ
今回は理学療法士・作業療法士の需要推計についてまとめました。需要推計は見込み要素も多分に含まれており、正確な数字かどうかは判断しかねますが、年々増えていっている供給に需要が追い付くのかどうかが重要なポイントですね。リハビリ業界の将来は明るいのか?
次回に供給と需要の結果をまとめます。