敷地内薬局はダメ!~新設された『急性期充実体制加算』と『総合入院体制加算』を比較します!~

新設された『急性期充実体制加算』

入院から14日を限度とし、~7日以内、~11日以内、~14日以内3段階で点数は逓減されていきます。

それぞれ460点(~7日)、250点(8~11日)、180点(12~14日)が算定できます。

したがって、14日間入院した場合、算定点数としては合計4,760点算定できることとなります。

患者1人当たり47,600円の加算のため、取得に向け動いている病院は多いのではないでしょうか。

今回はこの急性期充実体制加算について疑義解釈も含めまとめていきます。

急性期充実体制加算の算定条件

算定条件を簡単にまとめると以下のようになります。

〇急性期一般入院料1算定病棟を有する病院である
〇地域において「高度かつ専門的な医療」および「急性期医療」を
 提供するにつき十分な体制が整備されている
〇「高度かつ専門的な医療」および「急性期医療」に係る実績を十分有している
〇入院患者の病状の急変の兆候を捉えて対応する体制を確保している
〇感染対策向上加算1に係る施設基準を届け出ている
〇敷地内喫煙を禁止している
〇日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている病院
 またはこれに準ずる病院である

ここでも第三者評価が算定条件に入ってきました。

日本もアメリカと同じように第三者評価がステータスになる時代に突入するのでしょうか。

この点については私見を別記事でまとめる機会がありましたら、まとめていきたいと思います。

上記の算定条件に加え、

「特定の保険薬局との間で不動産取引等その他の特別な関係がない」

ことも算定条件の1つとして求められています。

いわゆる「敷地内薬局」は本加算の取得においてはNGだということです。

この「不動産取引等その他の特別な関係がない」点について、疑義解釈その1 問61では、以下のように回答されています。

①保険医療機関が当該保険薬局と不動産の賃貸借取引関係にある場合
②保険医療機関が譲り渡した不動産(保険薬局以外の者に譲り渡した場合を含む。)
  を当該保険薬局が利用して開局している場合
③保険医療機関に対し、当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している場合
④当該保険薬局が保険医療機関から開局時期の指定を受けて開局している場合
※なお、①から④までの詳細については、
調剤点数表の特別調剤基本料に係る規定を参照すること
とされています。
※賃貸借は第三者による転借が複数回行われている場合も含む
 例)保険医療機関(病院)→第三者A→第三者B→保険薬局など

要は、病院が薬局に場所を賃貸で貸してもいけないし、譲ってもいけないということですね。

↓参考までに

『急性期充実体制加算』と『総合入院体制加算』の比較

急性期充実体制加算総合入院体制加算同時算定することはできません。

双方とも入院から14日まで算定できることから、自院の平均在院日数取得加算の体制整備を適切に判断して、どちらを算定するのかを経営的判断しなければなりません。

そこで両加算を表にして比較してみました。

分かりにくいですが、総合入院体制加算(①)と急性期充実体制加算(②)を在院日数7日、11日、14日の3点で比較してみました。

11日で最も差額は大きく患者1人当たり15,800円の報酬差額が出ます。

年間1,000人で計算すると1,580万円の差額となります。

急性期充実体制加算は敷地内薬局NGだったり、第三者評価の必要性がある加算ですが、この差額を見ると何とかして取得していきたいですね!