特定行為研修はグレードアップし、看護協会の組織力の高さがうかがえます。
看護師のフィールドの拡大を医師のエリアまで広げているのは、日本における看護師の歴史が認知されているということはもちろんのこと、戦略的にフィールド拡大を図ってきた賜物だと思います。
今回はそのフィールドの拡大を『在宅』にフォーカスし、まとめていこうと思います。
「入院よりも在宅で暮らしたい」
そのようなニーズに応えるためにも『在宅』での看護師の活躍はとても重要な役割を担っています。
訪問看護ステーション数及び訪問看護を行う医療機関数の年次推移
医療保険の訪問看護ステーションはH23・H24あたりから右肩上がりで増加しています。
一方、医療保険の訪問看護を行う病院は横ばいとなっています。
特定行為研修修了者の就業状況
右肩上がりで増えている訪問看護ステーションですが、特定行為研修を修了した看護師はどの程度就業しているのでしょうか?
下図をご覧ください。
令和3年6・7月時点で修了者総数3,239名。
当然、病院で勤務している方が最も多く2,240名(69.2%)
訪問看護ステーションは145名(4.5%)と
今後の特定行為研修について
今後2024年までに特定行為研修修了者を3,239人から10,000人に増やしていく計画を立てているようです。
さらに特定行為研修のパッケージ化によってタスクシフトが図られ、在宅・慢性期領域は訪問看護での活躍が期待されている領域となっています。
訪問看護ステーションに所属する特定行為研修修了者
令和2年10月1日時点で訪問看護ステーションに所属する特定行為研修修了者は
機能強化型訪問看護管理療養費の届出ある事業所で7.3%
機能強化型訪問看護管理療養費の届出ない事業所で1.2% となっています。
認定看護師は31.2%所属しているようです。
その中で、特定行為研修修了者が修了しているパッケージは以下のようになっています。
無回答が多いのは謎ですが、やはり在宅・慢性期領域を修了している方が多い結果となっています。
特定行為研修修了者が訪問看護ステーションで行っている活動は以下の通りとなっています。
実施している特定行為は
創傷関連、気管カニューレの交換、胃ろうチューブ交換などが挙げられています。
まとめ
看護師は特定行為研修を準備し、自分たちのフィールドを拡げるように動いています。
看護師以外の多職種はどうでしょうか?
自身の職務範囲は自分たちの団体で守っていくし拡げていく。
この自団体の活動は、現場で働いている看護師にとっては心強いものです。
看護協会は歴史ある協会です。
多職種の自団体も看護協会のロビー活動や発展の仕方を真似てみてはいかがでしょうか?
政治の場にも看護師は出ています。
声が通る場所に自団体を送り込むのは究極のロビー活動ですね。