DPC対象病棟vs地域包括ケア病棟
DPC対象病棟から地域包括ケア病棟への転棟のタイミング
厚労省はDPC対象病棟から自病院の地域包括ケア病棟への転棟のタイミングについて1つのデータを示しています。このデータは2020年診療報酬改定で地域包括ケア病棟にメスを入れる1つの大きなデータと言えます。
そのデータを簡潔に言うと、「DPC対象病棟から地域包括ケア病棟に転棟する時期について、診断群分類区分における点数が地域包括ケア病棟入院料の点数を下回るタイミングに偏っている場合があった。」という内容です。
治療の必要性に応じて病棟を選択しているのか
入院料が有利なタイミングで病棟を選択しているのか
後者になってますよ。という厚労省から釘を刺される形のデータになっています。
どちらが高い入院料?
疾患や治療の有無によって異なりますが、一般的にはDPC対象病棟と地域包括ケア病棟入院料ではどちらが高い入院料なのでしょうか?こちらのデータをご覧ください。
DPCにおける入院期間Ⅱの平均値点数は2,346点。
地域包括ケア病棟入院料1 2,738点。
地域包括ケア病棟入院料2 2,558点。
地域包括ケア病棟入院料1・2ではDPCの入院期間Ⅱよりも多くの場合で高い入院料となります。
現行vs改定
現行では
【一般病棟(DPC)から地域包括ケア病棟に転棟する場合】 転棟後は地域包括ケア病棟の点数を算定する
となっています。
入院期間ⅠではDPC入院期間Ⅰ>地域包括ケア入院料となりますが
入院期間Ⅱでは DPC入院期間Ⅱ<地域包括ケア入院料 となるため
できる限り早い時期での地域包括ケア病棟への転棟の方がインセンティブは高いことになります。
下図参照
そのため、 DPC対象病棟から地域包括ケア病棟への転棟のタイミングは経営的メリットの観点から病院にとって都合の良い転棟になっていると警鐘がならされています。
そこで2020改定案では
入院日Ⅱまでの間は 診断群分類点数表に従って 診療報酬を算定すること
と変更になりました。
したがって、DPC算定期間は入院日Ⅱの終わるまでの期間となり、病院都合の転棟タイミングにメスが入る形となりました。
まとめると下図のようになります。ご参考までに。
同一病棟内で地域包括ケア病室に転室する場合は、次の通りです。