VISITとは
monitoring & eValuation for rehabIlitation SertvIces for long-Term careの略です。VISIT「訪問」という意味を出したかったのか、単語の途中を切り出しており、暗記するには時間がかかりそうです。VISIT は、全国の通所・訪問リハビリテーション事業所から、リハビリテーションマネジメントに必要な各種様式のデータを国に送信することを可能とし、蓄積したデータの分析に基づくフィードバックを通して、より質の高いリハビリテーションの提供を目指すことを目的としたシステムです。
うーん。難しいですね。
要はデータを収集し分析し質の向上を図るってことですね。
VISITの概要は以下のとおりです。
VISIT は利用者に関する情報を収集し、収集したデータに基づくフィードバックを行うという仕組みを、リハビリテーションサービスにおいて具現化したものです。平成28年度に全国100事業前後をモデル事業とし、平成29年度事業所を500事業所に拡大しています。
事業所拡大し調査可能な下地を作った後に、訪問リハビリテーション事業所500、通所リハビリテーション事業所1,000を調査対象とし、集計・分析を行ってきました。事業所調査研究計画立案から報告書によるまとめまでの流れは以下のとおりです。
2018年介護報酬改定で、VISITを使用し厚生労働省に提出すると、リハビリテーションマネジメント加算Ⅳが算定できるようになりました。
しかしながら調査研究の精度を高めるため、N数の増加を狙ったという視点で捉えると、本加算は十分な機能は果たせませんでした。なんと加算算定率は1%台。
第3のデータベースCHASEとは
厚生労働省は「科学的介護」の実践を目指しています。そのためには介護サービスにおけるエビデンスを集めて情報を蓄積し、それを分析することによって利用者に提供される介護サービスの根拠を提示できる必要があるとしています。そこで情報蓄積のためのデータベースの作成を進めています。このデータベースの1つが「CHASE」です。
「CHASE」という名称は、
介護サービス「Care&HeAlth」
利用者状態「Status」
利用者情報「Events」
を組み合わせた造語です。CHASEは介護データベース、VISITに続いて第3のデータベースとなります。VISITとCHASEをまとめると以下のようになります。
CHASEについては別の記事もご参照ください。
CHASE運用の前に検討すべきこと
第3のデータベースCHASE の本格運用が開始される前に
① VISIT は現在どのように活用されているのか
② 今後より広く活用されるためにどのような課題があるか
③ VISIT で収集されるデータからどのような情報を把握できるか
④ 収集されたデータを活用し事業所に対してどのような情報をフィードバックするのか
などを検討する必要があり、株式会社三菱総合研究所は令和元年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金を受けて、「通所・訪問リハビリテーションのデータ収集システムの活用に関する調査研究事業報告書」を2020年3月にまとめています。この報告書を何回かに分けてまとめていきます。
アンケート回収率
アンケートの回収率は以下のとおりです。
訪問リハビリテーション 264/500 52.8%
通所リハビリテーション 487/1,000 48.7%
十分とは言えませんが、まずまずの回収率となっています。
リハマネ加算の算定状況
リハマネ加算Ⅰ~Ⅳの算定率は以下のとおりとなっています。
リハマネ加算Ⅰ 88.8%
リハマネ加算Ⅱ 24.8%
リハマネ加算Ⅲ 44.6%
リハマネ加算Ⅳ 14.2%(108事業所)
うーん。流行ってないですね。
介護データベースの資料ではリハマネ加算の算定率は1%~2%弱となっていましたので、本報告書の14.2%とは大きな開きがあります。本報告書のアンケート調査は訪問リハ事業所4,748箇所あるうちの500事業所を対象にし、通所リハ事業所8,170箇所あるうちの1,000事業所を対象にしたものです。介護データベースの高い信頼性を考えると、リハマネ加算Ⅳは100事業所のうち1・2箇所算定している現状かと思われます。
リハマネ加算Ⅳの算定の有無ではなく、VISITを活用しているかどうかのアンケートでは微増の14.6%となっています。
こんなに使用されていないVISITを厚労省は推し進めています。さらに2020年からはCHASEという第3のデータベースを運用していきます。なぜVISITは流行らないのか?この理由は本報告書は明らかにしています。詳細は別記事にまとめていきます。