男性と女性ではどちらがストレスに強いのでしょうか?痛みに強いのは圧倒的に女性ですがはてして。労働者健康調査報告書からみるストレス相談の現状をまとめます。
「ストレスを相談できる相手」と「実際に相談した相手」
労働者健康調査報告書には以下のようにまとめられています。
ストレスを相談できる相手の
第1位 家族:友人 79.6%
第2位 上司・同僚 77.5%
第3位 産業医 8.8%
となっています。
実際に相談した相手は
第1位 家族・友人 76.3%
第2位 上司・同僚 69.7%
第3位 地域のかかりつけ医 3.8%
とパーセントは下がっています。
その中でも上司・同僚は-7.8%と下がり幅が最も大きい結果となっています。
この調査報告書の欠点は
家族・友人
上司・同僚
を合算して算出した点です。
友人に相談できても家族に心配かけたくない。
同僚には気軽に相談できても上司には・・・。
もう少し現状を正確に調査するならば分けて集計してほしかったと思います。次に調査報告書の2017年と2018年の比較をみてみます。
労働者健康調査報告書2017年vs2018年
ストレスを相談できる人は身近な人で8割を超えています。しかし家族・友人に限っては2018年では2017年から5.7%のDOWNとなっています。
また産業医を含めた外部機関を相談できると思っている人は、なんと10%にも満たない結果となっています。ほぼ利用しようとは思っていないということです。
では、実際に相談した人の割合はどうでしょう。
やはり2017年よりも2018年はDOWNしています。外部機関へ相談した人は、なんと0.3%。これはどげんかせんといかん。
「相談できると思っている人」と「実際に相談した人」の差をみてみる
相談できると思っていても、実際に相談するとは限りません。その差をみていきます。
2017年7.6%の開きに対して、2018年は12.4%も開いています。だんだん相談しにくい世の中になっているのでしょうか。
男性と女性の違いをみてみる
さあ、いよいよ本題の男女差をみてみます。まずは相談できると思っている人の割合から見ていきます。
女性の方が男性よりも相談できる人がいるという割合は高いという結果になっています。(その差3.7%)女性は男性よりも家族・友人に、男性は女性よりも上司・同僚に相談できる人が多い傾向にあります。
産業医にいたっては相談できると思っている人の男女差には、男性11.8%、女性 5.1%と倍以上の開きがあります。産業医には相談しずらい女性が多いという結果です。
では実際に相談した割合をみてみます。
女性は男性よりも実際に相談した割合は高く、その差は8.7%もありました。男性はなかなか実際に相談できないようですね。ここでも実際に外部機関に相談した割合は男性0.5%、女性0.2%と低値であり、日本の働き方改革の一環を担う相談窓口が機能していない現状が明らかになりました。
男性は相談できない人が多いのか
「相談できると思っている人」と「実際に相談した人」の差を男女別にみてみます。
明らかに男性の方が「実際に相談した人」はパーセントが大きく下がっています。やはり女性よりも実際に相談できる人は少ないのでしょう。
まとめ
男女差が顕著に見られました。男性は相談せずに自分で解決していく傾向にあるようです。その中でも救いなのは、男性で産業医を相談できると思っている人が11.8%いることです。
男性は女性よりも家族・友人に相談できず、上司・同僚にも相談できず、外部機関に頼りたいけど実際は外部機関が整備されていない状況となっています。なんとか産業医を含めた外部機関を整備し、誰しもが気軽にストレスを相談できる環境になれば、本当の意味で働き方改革が進んでいくのだと思います。