認知症ケア加算の疑義解釈~下巻~週16時間ルールって?

上下巻にするつもりはなかったのですが、認知症ケア加算の流れを書きすぎたので、気になる疑義解釈は下巻にまとめていきます。上巻は下記からご覧ください。

認知症ケア加算の疑義解釈

2020.3.31の疑義解釈の中から認知症ケア加算関連が出てくれないかな、と思っていたところ「問34」で出てくれました!

「原則週16時間以上」という文言の「原則」が明確になりました!認知症ケア加算1での専任常勤看護師は原則週16時間は認知症ケアチームの業務に従事しなければなりません。体調不良等で休んだ場合当該週の前後を含めた連続した3週間休んだ分の帳尻を合わせなければなりません。

厚労省の示す働き方改革とは矛盾している!

この疑義解釈については突っ込みたい点が大きく2つあります!

自己解決型の帳尻合わせって・・・

まず1点目は原則16時間の帳尻合わせです。自分の頭の整理もかねて、以下の図を作成してみました。

・午後から4時間認知症ケアチームの業務
・週2日公休
・夜勤も入れてみた
(概略図のため細かくは設定していません)

有休で16時間未達の週ができた時は、翌週に丸1日、認知症ケアチームの業務に従事する日を帳尻合わせ3週平均16時間を確保。もし有休が2つ・3つと合った時は・・・。2回、3回と帳尻合わせ。恐ろしい!あれ?自己解決型の帳尻合わせですか?有休取得率を上げる動きではなかったのですか?疑義解釈は「夏季休暇や病休等により~」となっています。ということは、

有休ならば事前に取得日が分かるので、未達の前の週でも帳尻が合わせられます。しかし病休であれば事前に分からないので、実質翌週のみで帳尻を合わせないといけません。疑義解釈に「当該週の前後の週を含めた連続した3週間~」とあります。「当該週が未達の週」であれば、「前後の週を含めた連続した3週間は未達の週の前後1週」と解釈できるかと思います。もしそうであるのならば、認知症ケア加算1はますます算定しずらいですね。

認知症ケアチームの業務に従事って・・・

もう1つ言いたいことは、そもそもの原則16時間の設定です。1週間を5日で分けると1日当たり3時間12分。1週間を4日で分けると1日当たり4時間。1週間を3日で分けると1日当たり5時間20分。そんなに毎日認知症ケアチームの業務ってないですよね。おそらく記録に残さないだけで、別の業務を行うようにする病院が多くなるのでは?本末転倒。

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まとめ

2020診療報酬改定は「働き方改革改定」といっても過言ではないかと思います。そこにきてこの部分の疑義解釈は、チョット矛盾しているのではないかと感じてしまいます。2020診療報酬改定は「働き方を守る、医療従事者を守る」という部分があるので、産業カウンセラー・公認心理師の有資格者としては、とても好感の持てる改定だと感じております。しかしこの疑義解釈は疑問を感じずにはいられません。

頑張れ!認知症ケアチーム!

頑張れ!看護師さん!