回リハ機関誌をまとめるシリーズ⑤。回リハ機関誌は様々な回リハの実態を機関誌にまとめています。シリーズ⑤では「実態」に触れていきます。
入院料別実績指数の分布
入院料1・3ではおおむね75%が実績指数40をクリアしています。やはり入院料1・3・5で実績指数対策を講じた結果、高い実績指数となっています。どの病院も頑張っているんですね。
発症からの期間と実績指数の関係性
前回の記事から分かるように、ここ数年間の回リハの状況は
『実績指数に対応する』
ということに主眼が置かれています。より高い入院料を算定するということは、病院経営にとっても重要なことですので実績指数への対応は良いことかと思います。
その実績指数ですが、発症から回リハ転院までの期間が実績指数にどのような影響があるのかという問いに答えているのが下図になっています。
実績指数40を一つの境界線として見てみると、赤色の脳血管疾患では発症後日数が26日の時点で実績指数中央値40となり、一度上がってはいるものの、発症後32日以降は実績指数中央値は40を超えることはありません。脳血管疾患での発症からの期間は3~4週間が一つの目途となりそうです。
同様に運動器疾患・廃用症候群を見てみると、
運動器疾患 発症後(術後)2週間
廃用症候群 実績指数40超えにくい
ことが分かります。
発症からの期間に対する私見
2020改定で回リハ対象疾患の発症からの期間が撤廃されました。送る側の急性期病院は焦らずとも送ることができます。※DPC病院ではそうはいきませんが。
上図のように早い回リハ転院は実績指数では有利には働きますが、今後発症からの期間が長い患者が転院してくる機会も増えてくると考えられます。
今まで対応してきたように、発症からの期間が長い患者も実績指数を上げるように努力するのか、発症からの期間が長い患者は除外選定に挙げるのか。
仮に除外選定に挙げたとしても、除外3割までの中で溢れてしまう患者も出てくるため、結局は発症からの期間が長い患者だけでなく、全患者への対応が重要となってきます。
しかしながら、発症からの期間が長い患者は今よりも増える可能性が高いことは明らかであると思われますので、発症からの期間の長さへの対応が2020年の回リハのテーマではないでしょうか。
私が回リハ病棟の経営責任者であったら
私が回リハ病棟の経営責任者であれば、
①回リハ対象8割の患者の回転を速くし在院日数をさらに短縮。
②空き病床を作らないためにも回リハ対象外2割を有効活用。他の回復期では対応しない回リハ対象外への間口を広げることで、急性期病院からの紹介に柔軟に対応し、急性期病院との良い関係性を構築。
③急性期医師の非常勤回診を回リハでやっていただき謝礼バラマキ。
④回リハから急性期病院へリハセラピストの派遣。
⑤急性期病院との個別連携会。急性期病院から紹介いただいた患者のオンライン症例検討会。
⑥急性期病院から回リハ転院時の送迎サービス。
等々、ターゲットの急性期病院を絞って様々な対応をしていくかと思います。
もう既に実施している回リハも多いとは思いますが。私見が長くなりましたが、私は回リハの経営責任者ではないので、私見を試験できる環境であればやっていきたい取り組みです。
私見を試験。しけんをしけん。(ただのカウンセラーの独り言。)