我々が病気になった際にお世話になるのがお薬です。
「効果があって安いものがいい。」
誰しも思うことです。
そんな中急速に普及しているのが、患者の費用負担が少なくて済む「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」です。
しかし2020年に発覚した大手製薬2社の不祥事により、専門家から疑問の声が出始め、厚労省は全国のジェネリック工場に一斉検査を行ないました。
後発医薬品(ジェネリック医薬品)の今後はどうなるのでしょうか?
我々の健康は守られるのでしょうか?
後発医薬品の使用促進の診療報酬上の取り組み
後発医薬品の使用促進のための診療報酬上の取り組みは以下のような経緯で進んできました。
2002年に処方箋料に2点加算され、2010年には後発医薬品使用体制加算が新設されました。
そして近年は後発医薬品の使用割合に応じて加算点数が異なる仕組みになっています。
後発医薬品の使用・調剤割合
医療機関、薬局での後発医薬品の使用・調剤割合を以下に示します。
(2016年4月~2019年3月)
2019年までのデータですが医科入院で76.6%となっています。
年々使用割合が増えている後発医薬品ですが、患者の使用意向はどうでしょうか?
「安くなるのであれば使用したい」と回答されたのは約75%となっています。
一方で約10%の患者は「いくら安くなっても使用したくない」と答えられています。
後発医薬品メーカーの不祥事と使用促進策
このような経緯で後発医薬品を徐々に使用割合をのばしてきましたが、2020年に大手薬品メーカーが相次いで不祥事を起こし、後発医薬品の生産停止や業務改善命令が出されました。
2020年9月までに後発医薬品使用割合80%の目標値は達成できず、78.3%にとどまり足踏み状態になりました。
後発医薬品への信頼は低下し信頼回復への取り組みが課されることとなりました。
後発医薬品の使用促進に向けた新たな目標
後発医薬品メーカーの不祥事を受けて、官民一体で製造管理体制強化や製造所への監督の厳格化、市場流通品の品質管理検査等が課せられ、2023年度末までに全ての都道県で80%以上という新たな目標が設定されました。
まとめ
不祥事や問題が生じて監視の目が厳しくなる。
薬品のみに限らず様々な場面で目にします。
少し前であれば、生産地偽造などが大きな社会問題になりました。
しかしながら生産地偽造に比べると報道による問題提起は少なかったように感じます。
これが薬品会社の強さですかね。
もう少し透明性を出して薬品会社のパワーバランスを是正しないといけないと感じていますが、薬品会社も診療報酬改定のたびに薬価が減点され、厳しい状況であることも分かります。
厳しい状況であるからこそ正しい製造と透明性のある運営をしていかないといけませんね。
そうでなければ足踏みが続くところか、外国からの参入や大手製薬会社の衰退につながっていくのではないでしょうか。